6月の言葉 『生と死』について
2018.06.06 仏教
6月になりました☂
さて今月の言葉は・・・
死を恐れるのは人間の本能である。
だが、死を恐れるよりも、
死の準備のないことを恐れた方がいい。
人はいつも死に直面している。
それだけに生は尊い。
そしてそれだけに、
与えられている生命を最大に
生かさなければならないのである。
それを考えるのがすなわち死の準備である。
そしてそれが生の準備となるのである。
生と死とは表裏一体。
だから、生の準備は
すなわち死の準備である。
〜松下幸之助〜
日本が誇る経営者の一人。
パナソニック(松下電器)創業者でもあり、経営の神様と言われている
松下幸之助(まつした こうのすけ)氏のことばです。
数多くの名言を残している松下氏ですが、
同氏の生き方はどこか仏教に通じるものを感じます。
「人間はいつかは必ず死ぬ」
ということを、多くの人は普段の生活の中で、忘れてしまいがちです。
特に現代では医学が進歩し、平均寿命も延び
「死」を目の当たりにする機会が激減しました。
それは幸せなことではあるけれど、
現代人が「死」をあまり意識しなくなってしまったのも事実。
平均寿命がいくら延びても、人が死ぬことに変わりはないのです。
現代の少年犯罪の特色として、通り魔事件や無差別殺人など、
殺意が何の関係もない第三者に向けられてしまう事件が増えています。
背景として家庭教育や学校教育における、道徳教育や規範教育の衰弱が叫ばれていますが、
「死」という事実に蓋をしてしまった日本の教育、そして社会全体の在り方が原因なのかも知れません。
死について教えないと、命(生)の価値もわからなくなってしまう。
死との比較があって、はじめて生きているという感覚が生まれる。
死を考えれば考えるほど、限られた時間をどう生きるか考えることに繋がります。
生と死とは表裏一体なのです。